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女性の年代別適正カロリー~健康的な身体づくりのための基礎知識

2020/10/01

みなさんはご自分の「適正カロリー」がどれくらいかご存知でしょうか?健康やダイエット目的でカロリーを制限するなんて話もよく聞く昨今。今回はそんな「適正カロリー」に関する基本的な知識をまとめてご紹介します。

そもそも「カロリー」って何?

カロリーとは、熱量(エネルギー)の単位です。水1mlの温度を1℃上げるために必要なエネルギーを1kcalと言います。
ご存知の通り、私たちは食事を通してエネルギーを摂取し、そのエネルギーを消費して身体を動かしています。この時、摂取したエネルギーが全て消費されず、身体の中に余ってしまうと脂肪として蓄えられます。これが一般的な太るメカニズムです。

【年代別】女性の適正カロリー

一般的に適正カロリーとは、健康的な体重を基にした1日の総消費カロリー(TDEE:Total Daily Energy Expenditure)を差します。生命維持に必要なエネルギーと、身体を動かすことで消費するエネルギーを合わせたものです。
適正カロリー量は、以下の式で求めることができます。

1日の適正カロリー(kcal)=体重(kg)×基礎代謝基準値(kcal/kg)×生活活動強度

この式を基に、女性の各年代の適正カロリー量を計算すると以下のようになります。

30代:約1754kcal=53.4kg×21.9×1.5
40代:約1833kcal=55.8kg×21.9×1.5
50代:約1713kcal=55.2kg×20.7×1.5
60代:約1682kcal=54.2kg×20.7×1.5

※ 体重は、厚生労働省が公開している平成30年国民健康・栄養調査報告の第2部身体状況調査の結果の平均値を使用しています。
※ 基礎代謝基準値は、日本人の食事摂取基準(2020年版) 4─2 基礎代謝基準値の値を使用しています。
※ 生活活動強度は「やや低い」として計算しています。

各項目を見ても分かるように、適正カロリーは、体重や基礎代謝量、生活活動の強度に左右されます。健康的な体重は身長によって異なりますし、基礎代謝量は年齢や体重によって変化します。ここでご紹介した年代別の適正カロリーはあくまで目安として考えてください。

自分の適正カロリーを知ろう

上記で説明したように、適正カロリーには個人差があります。ここからは、ひとりひとりの適正カロリーについて考えていきましょう。

①適正体重を知る

自分の適正カロリーを正しく知るためには、まず適正体重を把握することが大切です。適正体重は、以下の式で求めることができます。

適正体重(kg)=身長(m)×身長(m)×22

計算式に含まれる「22」は、BMI値(ボディマス指数)です。体重と身長から算出される肥満度のことで、「22」が適正値と言われています。
身長が160cmの方の場合、1.6×1.6×22=56.32kg が適正体重となります。健康目的でこれからダイエットを始める方は、ひとまずこの適正体重を目標にするといいでしょう。

②基礎代謝量を知る

基礎代謝とは、何もせずじっとしている状態で消費するエネルギーのことです。心臓を動かしたり呼吸したりする時に消費する、生命活動を維持するために必要な最低限のエネルギーを差します。
女性の場合、15歳頃をピークに基礎代謝量が減少していくと言われています。加齢と共に太りやすくなるのは、この基礎代謝の低下が原因のひとつです。
基礎代謝量は、以下の式で求めることができます。

基礎代謝量=基礎代謝基準値(kcal/kg体重/日) × 体重(kg)

基礎代謝基準値は、以下を参照してください。

年齢 基礎代謝基準値
(kcal/kg 体重/日)
参照体重
(kg)
30〜49 21.9 53.0
50〜64 20.7 53.8
65〜74 20.7 52.1

厚生労働省. 「日本人の食事摂取基準」. 2020年版, 2019. https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_08517.html, (2020-10-01)

この計算式で求められる基礎代謝量は、あくまで目安です。体重計などによる計測結果や、各種計測ツールで求められる数値とは、必ずしも一致しません。
特に、この基礎代謝基準値は、右の参照体重(平均的な体重)を基に計算されているので、参照体重から大きく数値がずれる方は、実際の値とのずれが大きくなります。あくまで目安であることを忘れずに。
誤差が気になる方は以下の式でも計算してみてください。基礎代謝量の計算式としてよく使われている「ハリス・ベネディクト方程式(改良版)」です。

女性の基礎代謝量=9.247×体重(kg)+3.098×身長(cm)-4.33×年齢+447.593

この2つの式や、お使いの体重計、基礎代謝量計算サイトなどを活用して、総合的に判断するようにしましょう。

③生活活動強度を知る

生活活動強度とは、普段の生活における活動の強さを表すものです。日本人の多くは、「やや低い」に該当すると言われています。

生活活動強度 区分 目安
1.3 低い 1時間程度の散歩や買い物、その他はほとんど座位
1.5 やや低い 座位中心だが、2時間程度の歩行や立ち仕事がある
1.7 普通 1時間ほど運動をしている、活動的な仕事をしている
1.9 高い 激しいトレーニングや体を動かす仕事をしている

こちらの目安を基に、自分の生活活動強度がどれくらいなのか把握しておきましょう。

④適正カロリーを求める

以上を踏まえ、適正カロリーを計算してみましょう。改めて、1日の適正カロリーは、以下の式で求めることができます。
1日の適正カロリー(kcal)=体重(kg)×基礎代謝基準値(kcal/kg)×生活活動強度

下線部(体重×基礎代謝基準値)が、②で求めた基礎代謝量を表します。現在の適正カロリーを知りたい方、体型維持が目標の方は今の体重を、減量を目標にしている方は適正体重や目標体重を入れて計算してみてください。

例えば、目標体重55kg、デスクワーク中心の30代女性の場合、1日の適正カロリーは55×21.9×1.5=約1806kcalとなります。現在53kg、座位中心の生活で健康的な体重維持を目標としている60代女性の場合、53×20.7×1.3=約1426kcalが1日のカロリーの目安になります。

適正カロリーを維持するために①摂取カロリーの把握

適正カロリーが分かったので、次はそのカロリー量を守る方法について考えていきます。健康維持が目的の方も、減量を目標にしている方も、適正カロリーを維持することは非常に重要です。まずは、私たちが普段の食事でどれくらいのカロリーを摂取しているのか把握していきましょう。

例えば、白ごはん1杯がだいたい何kcalかご存知ですか?答えは1杯(140g)でおよそ235kcal。6切りのパン1枚なら177kcal、牛乳は200mlで141kcal、無糖のヨーグルト100gは62kcalなどとなっています。

これらの値を全て覚えておくのは、非常に困難です。そこで、普段の食事のカロリー管理用に、カロリー一覧表などを用意してみましょう。食事の度に総カロリーを確認してみてください。最近はカロリー計算サイト・アプリもたくさんあるので、上手に活用していきたいですね。家庭料理の場合、作り方や材料によってカロリーも変わってしまいますが、目安として把握するには十分です。

だいたいの摂取カロリーが分かったら、適正カロリーと比較してみましょう。適正カロリーと、どのくらい差がありましたか?適正カロリーよりも多くのカロリーを摂取している場合は、食事内容の改善が必要になります。
摂取カロリーと適正カロリーとの差を3で割ると、1食あたりで減らすべきカロリー量が分かります。ひとつの目安になるので、ぜひ計算してみてください。

適正カロリーを維持するために②適正カロリー内の食事内容を知ろう

適正カロリー内の食事がどんなものなのか把握しておけば、毎日の食事管理が楽になるでしょう。今回は適正カロリーを1800kcalとして、1日の食事内容を考えてみます。

1日に1800kcalを摂取する場合、1食あたりの摂取カロリーは、1800kcal÷3=600kcalです。毎食白ごはん1杯(140g)=235kcalを食べるとして、それ以外のおかずや飲み物で残り365kcalを摂取しなければなりません。

野菜は300gでおよそ80kcalと言われています。1日で350g=約93kcal摂取することが好ましいとされているので、1食あたりでは約31kcalになります。実際にカロリー量を計算する時はドレッシングのカロリーも忘れずに計算してください。
お肉やお魚は部位や調理方法によってカロリーが大きく変わります。例えば人気のハンバーグは、100gで約223kcal。グラム数が上がればカロリーも高くなります。ケチャップやソースなど合わせる調味料次第で、さらにカロリーが高くなることも。

このようなカロリー計算をする時は、糖尿病の食事療法で使われる1単位の考え方を知っておくと便利です。1単位=80kcalとして計算するやり方で、先ほど紹介した野菜300g=80kcal=1単位となります。
その他に知っておくと便利な1単位=80kcalのものは、ごはん50g、食パン2分の1枚、たまご1個、油大さじ1、納豆1パック、豆腐4分の1丁など。このように1単位のものをたくさん知っておけば、大まかなカロリー計算に役立つはずです。

コンビニのお弁当の多くは、600kcal前後と言われています。品物によっては700kcal以上のものもあり、プラスで副菜やサラダ、スイーツ、ジュースなどを買うと適正カロリーをオーバーする可能性が高くなります。
コンビニダイエット食ブームの火付け役となったサラダチキンは、100gあたり100kcal前後のものが中心です。食べやすいよう味が付いているものは、プレーンのサラダチキンよりもカロリーが高くなります。

文字だけでは食事内容のイメージがわかないという方は、「1800kcal 献立」「600kcal 献立」などで検索してみてください。栄養士の方が監修された1日1800kcal、1食600kcalの食事内容を確認することができます。
献立作りの参考になるレシピや、毎日の食事作りに活用できる本も多数紹介・販売されているので、合わせてチェックしてみてください。

適正カロリーを維持するために③カロリーコントロールの実践

適正カロリーよりも多くのカロリーを摂取してしまう原因の多くは、「過食」です。1回の食事量が多かったり、間食していたりしませんか?心当たりのある方は、まずは食事量を調節したり間食を控えたりするだけでも、摂取カロリーを減らすことができます。

合わせて食事の内容も見直していきましょう。基本的に油の多い食事は、カロリーが高くなります。ごはんやパンなどの炭水化物も、必要量以上に食べるとカロリーが高くなるので、適正量を守ることが重要です。
食べ過ぎてしまったり、外食が入ってしまったりした場合は、1日の食事の中で調整してみてください。昼にたくさん食べた日は夜を控える、夜に外食がある日は朝昼を控えるなど、1日全体でバランスを取ることを習慣づけましょう

減量中の方で厳密にカロリー管理をしたい方は、思い切って外食やテイクアウト、コンビニ食にするという方法もあります。一見不健康そうに見えますが、コンビニや飲食店のメニューの多くは、ひとつずつカロリーが記載されているので、1日の摂取カロリーを管理しやすいというメリットがあります。
特に最近は健康志向の方が増えていることもあり、カロリーを抑えつつ必要な栄養素を補給できるようなダイエット向きのメニューがたくさんあります。こうしたメニューを活用することで、気軽に摂取カロリーのコントロールができるようになります。

適正カロリーだけではなくバランスが重要

ここまで、適正カロリーを守ることが重要と解説してきましたが、適正カロリーを守っていれば何を食べてもいいという訳ではありません。
例を考えてみると分かりやすいでしょう。1日の適正カロリー1800kcal分を、全てスイーツで補うことが、健康的な食生活と言えるでしょうか?極端な例ではありますが、仮にこれで体重が落ちたとしても、健康的と言えないことは一目瞭然です。

適正カロリーを守ることと同じくらい、食事のバランスも重要になります。では、バランスのよい食事とは、どのような食事でしょうか?

厚生労働省と農林水産省が公開している「食事バランスガイド」では、2200±200kcal(基本形)を想定した1日の料理例が掲載されていいます。女性にすると活動量の多い方が対象となるので、年齢や活動量を基にした適切な食事量がわかる「食事バランスガイドの適量と料理区分」も、ぜひ御覧ください。

ダイエット目的でカロリーを制限している方も、一度食事のバランスを見直してみましょう。栄養に偏りがあると、痩せにくくなったりリバウンドしやすくなったり体調が不安定になったりすることもあるようです。
調整するのはあくまで摂取カロリーの全体量であり、多すぎる分を適切な量にすることが重要です。カロリーを多く含む炭水化物や脂質も、身体には必要な栄養素であることを忘れずに。

適正カロリーを守って健康的な身体になろう!

繰り返しになりますが、健康的な身体を作るためには、カロリーを適正量摂取することが大事です。まずは、今回ご紹介した目安や計算式を活用して、自分の年齢や活動量に合った適正カロリーを把握することから始めてみてください。

その上で、体重を減らしたい・増やしたい、健康な身体を維持したいなど、個々の目的に合わせてカロリー量を調整してください。重要なことは、摂取カロリーと消費カロリーのバランスです。闇雲にカロリーコントロールするのではなく、どのくらい増やす・減らすといいのか、どのような食事内容が適切なのか、理解した上で調整していきましょう。

この時、食事全体のバランスも忘れずに。今回はご紹介しきれませんでしたが、適度な運動も取り入れることができるといいですね。まずはできるところから、健康的な身体づくり進めていきましょう。

[ライター:きみぽん]

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