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2010年9月21日(火曜日)
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K様からいただいたお便りをご紹介します。(ご本人さまの了承をいただいています)
【件名】 近未来へのお願い
貴社の製品(もちぴたロンシャツ)を愛用している一人です。
一度身に付けると、寒いシーズンは、もちぴた無しでは過ごせなくなります。
大変素晴らしい「肌着を超えた肌着」を開発されたものだと敬服しています。
ところで、現在のもちぴた肌着は、スッポリ頭からかぶる式ですが、将来的に前開きタイプをもうけるおつもりは無いでしょうか?
両手に、軽度にしても麻痺がある人や、 病気や怪我以外に加齢により、 徐々に指の動きが悪くなったり、 肘の関節が硬くなり、 健常者のようにまっすぐに伸びなくなったり、
腕が上がらなくなった人には、 かぶりタイプは、本人のみならず、介護している職員さんや家族にも負担がかかります。
私は、実母の介護に手を染めるようになって、15年近くが経ちます。
ここ5年のうちに、身体機能の衰退が目立つようになりました。 現在は寝たきりです。
ただし、車椅子での座位姿勢は、1時間少し保っていられるほど、まだ背筋力や腹筋はあります。
しかし、寝ている時間がとても長いので、おむつ交換時に背中や腹部に腰周りを極力冷やさぬ、伸縮性高く、暖かい肌着探しには、大変苦労しています。
「おむつ交換」経験があると、すぐにわかるのですが、肌着の伸縮性の高さは、着脱の手間はもちろんですが、衣類を整える際の手間の速さにも大きく関わります。
寝たきりの人の場合、自力寝返りもおぼつかないことが多いので、ズボンの中にしっかり肌着を入れ込み、胴切れさせず(冷えの原因になる→肺炎原因になる、命取り)、背中の下にしわやよれが無いようにするため(床ずれの原因になる。身体の衰弱を招く)には、数度、寝たきりの人を、左右に転がさねばなりません。
これは、介護する人にとっては、結構な肉体労働です。 汗をかきます。
また、転がされる人にとっても、愉快なものではありません。
もちぴたロンシャツは、ヒップが隠れるほどまで伸びるので、介護施設の職員さん達にも、大変好評です。 「他のご家族にも紹介したい。どこの?」と言われます。
前開きタイプは、介護用肌着に多く有りますが、綿製品が多く、伸びが悪い。
しかも、大して暖かくない。
もともと丈も短くて、婦人ものの場合、着丈60cm近くあるものがほとんどありません。
また、健常者であれば、さほどの影響は無いかと思いますが、年々、機能低下により、体温調節もうまく行かない高齢者の場合、巷に出回るウォームビズ程度では、大した効果を望めません。
これまで、数社のウォームビズ肌着を試してみました。
唯一○○○の肌着が、伸縮性、暖かさにおいて、ピカ1でしたが、もっと暖かい肌着を探していました。
わずかの気温差で、発熱、咳き込み、入院(肺炎)となってしまうのが高齢者。
「なんとかならぬものか」と悩んでいた頃、ようやくめぐり合えたのが、貴社のもちぴたロンシャツでした。 理想的な介護肌着でもあります。
ただし、将来的なことをお願いしたいのは、前開きの男女の肌着があれば、全身麻痺の家族の心身負担と、介護する側の家族や施設職員さんの心身負担をも、もっと軽減できるのではないかと思えたからです。
介護肌着の前開きは、マジックテープが多用されていますが、これはいけません。
ずれたときに、着ている人の肌を傷つけてしまいます。
また、貼ったりはがしたりを繰り返しているうちに、テープ自体が破れたようにはがれてしまいます。
そういうことで、病院でも、マジックテープの肌着は好まれません。
ボタンが一番よいです。
片手麻痺の人ならば、自由のきくもう片手を使い、時間をかければ、自分でとめることができます。
両手麻痺の場合や寝たきりで腕や肩の関節が固まりつつある人の場合にも、かぶり式は無理になり、前開きでなくてはならなくなります。
できましたら、近い将来、前開きの男女肌着(もちぴたロンシャツ)を製造販売してはいただけないものでしょうか?
いま現在では、特定疾患に因る全身麻痺の義父の介護が新たに加わりました。
男性は、肌着の色にさほどの関心は無いかも知れませんが、肌着とパジャマが唯一の「ファッション」となる女性の場合、肌着とは言え、その色彩が及ぼす心理的影響や作用には、本人のみならず、介護に携わる家族や施設職員(女性が圧倒的)さんも含め、多大なものがあります。
カラーは、現在のもので十分です。 いろんな色を、その日の気分で選べる贅沢は、どんな体やどんな年齢になっても、必要ですから。
また、同時に、色気も艶も、終生必要なのです。
いま現在の母はかぶり式で大丈夫ですが、近い将来には、それが無理になってくるのではないかと恐れています。
できましたら、それに間に合えば大変嬉しく、また、現状全身麻痺の義父にも、近々愛用できたら、大変果報に思います。
ご一考いただけないものでしょうか?
このメールを拝見した2日後には、企画開発担当者がサンプル作りを始めました。
以後、Kさまには、モニターとなっていただき、新しい肌着の開発がスタートしたのです。
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