商品カテゴリー

tet.(テト)さまインタビュー

今回は、tet.(テト)の松下さまにインタビューをさせていただきました。

── tet.(テト)とは?

 
松下さん「日本一の手袋の産地である、香川県東かがわ市に130年根付く手袋産業の多様性や魅力を発信するブランドです。
テトのものづくりのパートナーはあらゆるジャンルの手袋メーカーさんです。生まれる手袋は多様性に富んでいます。
産地で受け継がれてきた手袋づくりのノウハウを活かし、永く愛せるものをつくり届けること、産地の作り手とじっくり対話をしながら取り組むことを大切にして、東かがわで作られる手袋をはじめとした、手にまつわるオリジナル商品を展開するとともに、産地の今を伝える活動に取り組んでいます。」

── 松下さんが手袋をつくろうと思われたきっかけは、何ですか?

 
松下さん「もともと、まったく業種の違う家電メーカーで営業や企画の仕事をしていましたが、実家が地元・香川県東かがわ市で商売を営んでいたこともあり、いつかは地元に帰って、実家の商売を引き継ぐことをなんとなく意識していました。
そんな中、東かがわ市の地場産業である手袋をブランド化し、全国に発信するプロジェクトが立ち上がろうとしており、それに中心となって取り組める人を探している、という話が人伝に舞い込みました。
幼いころから、自分のふるさとが手袋の産地であることは、生活の至るところで実感する機会はありました。それこそ実家の会社の取引先にも手袋会社さんがたくさんいたり、同級生が手袋会社さんの息子さんだったり。
ですが、私自身大学進学を機に県外へ出て生活する中で、地元はこんなところ、と紹介をするのですが、地元が手袋のまちであることがほとんど知られていないことを、ずっともったいなく感じていました。
それまでの体験で感じていたことや、そのときに訪れた状況など、いろいろな条件が重なり、自分がふるさとの魅力を発信する仕事ができるかもしれない、とそのチャンスに飛びこんでみよう!と会社をやめて香川にUターンをし、テトというブランドを立ち上げるに至った流れです。」

── 会社にはいってからは、外からイメージされていた通りでしたか?

 
松下さん「まったくの異業種で、未知数すぎたので、ほとんどイメージすらできていなかったので、その分特にギャップを感じることはありませんでした。。。すみません。」

── 手袋づくりのおもしろいところはどんなところですか?

 
松下さん「手袋づくりといっても、私たち自身は作り手ではなく、ものづくりを伝える立場です。
手袋に具体的に関わるようになり約5年が経ちましたが、香川の手袋産業の特長と魅力は、この小さなまちから、実に多様性に富んだ手袋が生まれていることだと思っています。
“手袋”というと、いわゆる一般にイメージがしやすい、寒い冬に手をあたたかく包んでくれる手袋が思い浮かびますが、香川の手袋はそれだけではありません。
例えば、消防隊やレスキュー隊などをはじめ、特殊な作業や過酷な作業のときに、作業を助け、手をしっかり守る手袋や、選手のパフォーマンスを最大限に引き出すスポーツ用の手袋、ものづくりの現場を支える手袋など、挙げだしたらきりがないほど、あらゆる手袋が手掛けられています。
それらはすべて、ゴールは同じ“手袋”という完成アイテムを目指しながら、そこへ向かうアプローチや道筋が、手掛ける手袋の種類や、使われる用途などによって、ちょっとずつ、ちょっとずつ異なっているのもおもしろいなと思います。

洋服が裁断の仕方や縫い方によって、見え方や着用した時の感じまで異なるように、手袋も同じで、それを手という、小さな面積かつ繊細な感覚を有する部分に合わせて、形作る難しさと奥深さも、またおもしろさのひとつだと思います。」

── もちはだとの出会いと印象を教えてください。

 
松下さん「実はもちはだを知ったのは、今から6年前の2014年のことです。その頃は東京で働いており、芸人さんがテレビでもちはだの肌着を紹介されていたのを見て、ピンと来て、離れて暮らしている香川の両親に贈ろうと、WEBサイトを訪れたのがきっかけでした。
厚みや形など、種類豊富で選ぶのに迷い、普段の両親の服装や、ライフスタイル、使用シーンなどを伝え、おすすめを聞こうと問い合わせをしたところ、ひとつひとつの質問にとても丁寧に答えて頂いたことを覚えています。
両親に贈ると、史上最高にあったかい、とそれはもう大絶賛で。とても喜んでもらいました。
私自身も、冬は足が冷えて、冷たすぎて寝られないというほどの冷え性ですが、今はもちはだソックスのおかげであたたかく過ごしています。
もちはだブランドの印象は、本当に寒さが厳しいシーンで、太鼓判を押されるクオリティ、本格派が好む防寒肌着のブランド、根強いファンが多い、というようなイメージでした。」

── 「もちはだ」とのコラボをするにあたって意識されたのはどんなところですか?

 
松下さん「生地を縫製して作る手袋というのは、縫い代が手に直接触れます。だからこそ、裏起毛の心地よさを肌で直接感じられるわけですが、生地が厚くなるとその分、縫い代の存在感も同時に感じてしまうようになってしまいます。
裏起毛の心地よさを、縫い代のごわつきの印象で弱めたくないなと思い、もちはだ独自の起毛感に包まれるような感覚を感じられるよう、工場とも相談し、縫製する箇所が極力少ないパターンを採用しました。もちはだの代名詞である“起毛”をきちんと感じられるように、というところが意識したところです。指や手全体がふんわりと包み込まれるような感覚で手を入れてもらえると思います。
デザインは、まず第1弾ということで、ワシオにしかない独自技術によって生まれた生地が主役になれるよう、シンプルかつベーシックで使い勝手がよいことを意識しながら進めました。」

── tet.×もちはだ 第一弾の手袋が完成していかがですか?

 
松下さん「“シンプル”で“機能的”なことももちはだの特長なのでは、と従来のラインナップを拝見しながら感じたので、手袋も、シンプルだけどあたたかさ、スマホ対応、すべりどめ、という定番の機能がそろうようにしました。
意識したこととも重複しますが、指や手全体がふんわりと包み込まれるような感覚で手を入れてもらえるところがおすすめです。」

── 最後に、これから松下さんがチャレンジしたいことをお聞かせください。

 
松下さん「タオルといえば今治、眼鏡といえば鯖江、のように、手袋といえば真っ先に東かがわがイメージされるようになり、この地域から生まれる手袋づくりをはじめとしたものづくりがより魅力的なものとして昇華していくきっかけとなれればと思っています。
そのために、ものづくりの魅力を発信したり、直接伝えたり、交流したりできるような場所を作るのも目標です。」


私の生まれ育った、香川県の東かがわ市は、国内の手袋生産90%のシェアを誇る日本一の手袋の産地です。
しかし、時代の流れの中で生産の拠点は海外へ移り、国内に残る職人は高齢化が進んでいます。

tet.(テト)は、東かがわで作られる手袋を中心に、手にまつわるオリジナル商品を展開していくとともに、産業の今を伝える活動に取り組み、これからの地域について産地と一緒に考えていきたいと思っています。

手袋はとても繊細な手仕事を通じて生み出されています。
tet.というブランド名は、そんな様々なものを生み出す『手』に着目し、『手と、』その先に広がる様々な物語を伝えていく、という想いを込めてつけました。
日本語の『手』が持つ、どこか温もりや優しさを感じるような、そんな活動にしたいと思っています。

松下 文
Fumi Matsushita

tet. ブランドマネージャー

1987 香川県東かがわ市生まれ。
2010 立命館大学経営学部卒業後、大手家電メーカーに入社。営業や商品企画に携わる。
2015 地元への恩返しを胸に、㈱エイトワンの新規事業に参画。香川県東かがわ市発の新プロジェクトとして、tet.(テト)をスタート。
2018 株式会社tet.として、tet.ブランドの運営を継承。

 

 

前へ <<  TOP  >> 次へ

営業カレンダー営業カレンダー

  • warmbizバナー