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森林浴で「五感」を刺激する…効果的な森林浴の方法

2019/10/17

仕事や家事、育児などで、ストレスや疲労は知らず知らずのうちに溜まってしまうものです。
そのようなとき、都会の喧騒から離れて静かな自然の中でのんびりと過ごしたいという人も多いのではないでしょうか。
森林浴にはリラックス効果や健康効果があり、その効果は今、世界中で注目されています。
今回は、森林浴が人間にもたらす具体的な効果と、その科学的エビデンスについて解説します。
静かな森の中にあるのは、太陽の光と、風と、身体の奥深くに響く木々の香りだけ…。
自然に囲まれて、心も体もリセットしてみませんか?

森林浴とは

森林浴とは、樹木に接し、精神的な癒しを求める行為です。

日本では1982年に、林野庁の長官が“森林浴”を提唱し、森林療法の概念を確立しました。
自然美を見直し、森をつくる意欲を高めようとの想いから生まれたもので、”海水浴”、”日光浴”になぞらえた言葉です。

「森林浴にはリラックス効果がある」「自然の中にいると心が安らぐ」ということはよく言われていて、実際に森林浴で癒されたという体験を持つ人も多いと思います。
ですが、その具体的な効果や理由について聞かれると、答えられないという人もいるのではないでしょうか?

森林浴の効果を調べるため、様々な実験や検証がなされています。
ここからは、森林浴の効果の実験、科学的エビデンスについて具体的にみていきましょう。

森林浴効果の源、その1「フィトンチッド」

森林浴の効果については様々な角度から検証が行われ、科学的な根拠に基づいていることが判明しています。

その結果、森林浴の効果の源には

「フィトンチッド(phytoncide)」

「マイナスイオン(negative air ion)」

の2つがあることがわかっています。

まず、フィトンチッドについてみていきましょう。
フィトンチッドとは、樹木などが発散する化学物質のことです。
植物が傷つけられた際に放出し、殺菌力を持つ揮発性物質のことを指し、このフィトンチッドには微生物の活動を抑制する作用があります。

森林に入ると、独特の森のにおいが漂うことに気がつくでしょう。
このにおいの正体が、森林から放散されている成分、フィトンチッドです。

森の中には、枯れ木や落ち葉、動物の死骸など悪臭の原因となるものが多くあります。
しかしながら森の中で深呼吸すると、体中に新鮮な酸素が行きわたり、爽快感が得られるはず。
こうした新鮮な空気だけを感じることができるのは、フィトンチッドの消臭・脱臭作用によるものなのです。

フィトンチッドには消臭・脱臭作用のほか、健康や癒し、安らぎを与える効果があることもわかっています。
そのため私たち人間はこのフィトンチッドを嗅ぐと、精神が落ち着きリラックスすることができるのです。

森林浴効果の源、その2「マイナスイオン」

森林浴の効果の源には、マイナスイオンもあります。

マイナスイオンは、大気中に存在する負の電荷を帯びた分子の集合体です。
主に空気中の過剰電子によりイオン化した大気分子の陰イオンを表す用語ですが、健康問題に関する際はマイナスイオンと呼ばれます。

天然のマイナスイオンは森の中、そして特に水しぶきのあがるところに多く存在しています。
マイナスイオンには爽快感、静けさ、空気の清浄さがあり、それらには快適性を向上させる効果があります。

私たちの体にとって、空気中のプラスイオンとマイナスイオンが理想的なバランスにあることが大切です。
プラスイオンが多い場合は酸化の影響で、老化、血行不良、アトピー性皮膚炎、さらにはうつ病やノイローゼなど心の症状を引き起こす可能性があります。

その反面、マイナスイオンは副交感神経に作用し、体をリラックスさせ、細胞を活性化して疲労を回復させるなど様々な疾患の予防に有効です。
さらにマイナスイオンが多い環境では酸化が抑制され、アンチエイジングへの期待も高まります。

森の中は、フィトンチッドとマイナスイオンに満ちています。
この効果を利用したのが森林浴で、健康向上と精神的なリラックス効果が同時に得られるというわけです。

森林浴の具体的な効果とは

森林浴の効果は具体的にはどのようなものがあるのでしょうか。

「フィトンチッド」と「マイナスイオン」の作用により、以下の効果が期待できます。

・副交感神経活動が活発化(精神の鎮静)
・交感神経活動を抑制
・唾液中のコルチゾール(ストレスホルモン)の濃度が低下
・緊張感や疲労感が緩和
・血圧、脈拍数低下
・病気に対する免疫力UP
・脳波のα波の増加
・ナチュラルキラー細胞(NK細胞)が活性化し、主な抗がんたんぱく質の増加
・生活習慣病の予防や改善

フィトンチッド、マイナスイオンは共に目に見えるものではありませんが、共に抜群のリフレッシュ効果をもたらしてくれます。

森林浴の効果は、人それぞれ異なった形で表れます。
血圧が高い人は下がり、低い人は上昇するなど、体が本来の健康な状態に向かうもので、これを生体的調整効果と呼んでいます。

心理的にも身体的にも自分がリラックスできる方法で、休日やちょっとした時間に森の中で体を休ませてみてはいかがでしょうか。

森林浴の科学的実験の実例

森林浴の生理的効果の科学的エビデンスの裏付けについて、様々な検証が行われています。
興味深い科学的実験があるので、そのうちの一つを紹介します。

独立法人の森林総合研究所が取り組んだ、「森林セラピーの生理的効果の科学的解明」という実験です。
この実験は、全国10カ所、被験者120名、実験日数約60日を要し、規模としては世界初・最大のものです。

被験者は1カ所につき男子大学生12名(6名ずつの2群)とし、森林部及び都市部に滞在した際の生理的状態の測定をしました。
1日目は森林、2日目は都市部というように班を入れ替えて唾液・血液などを採取した結果、


1) セラピー候補森林において(都市部に比べて)リラックスしたときに高まる副交感神経活動が昂進し、ストレス時に高まる交感神経活動が抑制される。

2) セラピー候補森林において、代表的なストレスホルモンである(唾液中)コルチゾール濃度が低下する。

以上2点のことが明らかになりました。

欧米では「森林浴セラピー」や「自然療法」として森林浴が医療の現場で実用化されています。
森林セラピー先進国であるドイツでは健康保険が適用され、森林浴や森林での保養を推進しています。

ハイキングやトレッキング、登山などで森林を歩くと、どこか清々しい感覚を覚えていたのは、こうした科学的な裏付けがあったのですね。

参考「独立行政法人 森林総合研究所 森林セラピープログラム」

「五感」を刺激する森林浴

森林浴は心身を癒す効果があることがわかっています。
それは森林環境が人の「五感」を通して自律神経系に刺激を与え、自律神経機能をよいバランスへと変動させるためです。

森林浴の効果は香りだけではなく、清浄な空気、風の音、鳥の鳴き声、水のせせらぎ、木漏れ日の光、木々の緑色などさまざま森林環境が要因になります。
森林浴で「五感」を刺激するということは、主に以下の通りです。

森林浴の効果は景色を楽しむ「視覚」
草木の香りに触れる「嗅覚」
鳥のさえずりに親しむ「聴覚」
樹木や大地に触れる「触覚」
清涼な水を感じる「味覚」

このようにして「視覚」「聴覚」「触覚」「嗅覚」「味覚」の五感すべてを使って感じる森林の心地よさが、人々に癒しの効果をもたらすのです。

降り積もった落ち葉の上をさくさくと音を立てながら歩いたり、風に揺れる枝葉をのんびり眺めたり、葉が擦れる音に耳を傾けたり、湿気を含んだ幹に触れてみたり…森林を歩く楽しみはそれぞれ個人差があるので、自分にとって心地よいと感じることを見つけて思い思いに時間を過ごしてみましょう。

実践編・効果的な森林浴の方法

森林浴とは、森林の中を歩いたりして、心身がリフレッシュすることをいいます。
自然の恵みを体いっぱいに受けるために、森林浴にはどのような効果的な方法があるのでしょうか。

・散歩をする

森林浴のもっとも効果的な方法は、森林を歩きながら、散歩をすることです。
うっそうとした森林の周りには、清らかな小川、底が見えるほど澄んだ沼、広々とした草原があり、そのような森林のさまざまな表情を存分に楽しみましょう。
森林の中で、座って目を閉じ、森林の香りを思い切り吸い込んでみてください。
森林のエネルギーが心身いっぱいに満ちてくるに違いありません。

・森に暮らす動植物を観察する

森に暮らす動植物を観察することも、森林浴の効果的な方法です。
森林には木や草、花、それに動物たちが暮らしています。
バードウォッチングや昆虫観察をしてみるのも良いでしょう。
虫眼鏡や双眼鏡、小さな図鑑、カメラなどを持参するとさらに充実したものになりますよ。
味覚狩りや山菜採り、キノコ狩りも楽しいものです。
ただし、毒キノコにはご注意を。

・スポーツをする

体を動かすことも、森林浴の効果的な方法です。
のんびりと散策をするのもいいですが、ウォーキングやサイクリングなども森林の中で行うとふだんと違う雰囲気が楽しめるでしょう。
森林浴は心身の疲れを癒すのが目的ですから、疲労感が増すようなハードな山登りやスポーツは逆効果になるので気をつけましょう。

・絵を描く、写真を撮る

絵を描くこと、写真を撮ることも森林浴の効果的な方法です。
時間があれば、美しい木々の中で、心動かされた風景をスケッチしてみましょう。
道具は、鉛筆や色鉛筆、クレヨン、絵の具などなんでもかまいません。
無心で描いていくうちに、いつの間にか森林の静寂につつまれ、心が穏やかになっていく感覚を味わうことができるでしょう。
また、いつも歩いている当たり前の風景も、カメラを向けて見ると意外な発見があるかもしれませんよ。

・森林を清掃する

森林を清掃することも、森林浴の効果的な方法です。
遊歩道の美化清掃、さらに伐採した木や下草を運んだり落ち葉を片付けたりなど、できることはたくさんあります。
掃除をして森の中がきれいになればなるほど、 自分の心の中もきれいになっていく気がするのではないでしょうか。
森林レクリエーションや森林清掃のボランティア活動に参加するのもひとつの方法でしょう。

このように森林浴の効果的な方法は複数ありますが、最後に服装の注意点を。
森林を歩くときは、けがなどのさまざまな危険から身を守るのに適した服装を心掛ける必要があります。
虫さされやかぶれる植物、日焼け、けがなど森林には危険もはらんでいます。
ですから体をしっかりと守るため、森林浴には長そで、長ズボンが基本です。
さらに、帽子をかぶり、厚めの靴下とスニーカーを履くといいでしょう。
森の中は気温の低く、また天候が変わりやすいため、温度調節ができるようにアウターを用意しておくと安心です。

生活のアクセントに森林浴を取り入れることで、ストレス減少によるメンタルヘルスの改善や免疫機能の向上が期待できます。
慌ただしい現代人の癒しのツールとして、森林浴は今後ますます注目されそうです。

自宅でもできる森林浴のススメ

森林浴には登山やキャンプだけでなく、近くの公園や林を散歩することまで幅広く含まれています。

森林浴するためにわざわざ遠くの森や山まで出かける必要はありません。
住んでいる周辺にも、丘陵地や森林公園、寺社、植物園など森林浴ができる場所が見つかるでしょう。
また、都市部の大きな公園には、周りの喧騒が気にならない静かな場所があることも。
少しでも緑のある身近な自然環境に身を置くことで緊張感や疲労感が緩和されるでしょう。

森林浴で得られる効果があることはわかっていても、森がある場所まで定期的に出かけられるとは限りません。
そのような時には日常の暮らしで森林浴の効果を取り入れる方法があります。

自宅やオフィスで森林浴の効果を取り入れる方法を紹介します。

観葉植物や切り花を飾る
無垢(むく)材など自然素材の家具を置く
自然風景の絵や写真を飾る
ヒーリング音楽を聴く
アロマオイルで芳香浴をする
ハーブティを飲む

森林浴で心地よいと感じることを、少しでも日常の暮らしのなかに取り込めると良いですね。
効果や感じ方には個人差があるので、自分のライフスタイルに合わせて心身を活気づけるようにしましょう。

まとめ

仕事や日々の雑事に追われ、気がついたら季節が変わっていたということはありませんか。
四季の移り変わりや身の周りの景色に気がつく余裕もない状況は、身も心も消耗している証拠です。

林野庁の提唱で「森林浴」という言葉が生まれて以来、多くの分野で実験や検証が行われ、森林浴の効果が明らかになりました。
また現在では、森林浴の効果を利用したさまざまな取り組みが盛んになっています。

心身に疲れを感じたら、休日などを利用して森林浴に出かけてみてください。
さらに、森林浴の効果を体感することは、自然環境を大切にするという心構えにもつながることでしょう。

[ライター:古山まり]

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