2023/06/26
『美味しい食べ物がある』
『豊かな自然と広大な大地』
『涼しい夏』
北海道にはこのようなイメージをお持ちの方も多いのではないしょうか?
しかし、実際に住んでみると想像していた違う部分が多くありました。
実際に来てみないとわからなかった、夏の北海道の気候や環境、道民が夏をどう過ごしているのかについてご紹介していきます。
冬は雪が降り厳しい反面、夏は涼しく過ごしやすい。
そう思われて避暑地として北海道にやって来られる方も多くいると思います。
ここでは北海道の夏の気候についてご紹介していきます。
夏は涼しいイメージのある北海道ですが、実は関東の気温と変わらないくらい暑いです。
避暑地の気分でやってくると、思わぬ暑さに驚くかも知れません。
札幌市内では、2021年の7月から8月にかけて、30℃を超える真夏日が15日連続で続いたことでも話題になりました。
その中には35℃を超える日もあり、東京よりも暑いといった日も何日もありました。
湿度の関係で、気温の割に関東よりは涼しく感じるかもしれませんが、太陽から降り注ぐ日差しは暑く、立っているだけで汗ばんでくる気候です
実際に初めて北海道へやってきた時には、その意外な暑さに驚きました。
涼しいだろうと思い着ていたパーカーを、飛行機から降りてすぐに脱ぎ捨てたのを覚えています。
北海道の夏は本州と変わらない、日焼け止め対策と熱中症対策が必要だということを実感しました。
また今年の2023年はエルニーニョ現象の影響もあり、例年以上に気温が高くなることが予想されていますので、暑さにはより一層気をつけたいところです。
昼間の暑さとは反対に、朝晩はぐっと気温が下がることが多く、涼しいといういうよりは、むしろ寒いと感じるくらいです。
日中との寒暖差は13℃近くになることもあり、昼間と同じ服装では肌寒さを感じることになります。
夏の夜は寝苦しくなるからと窓を開けて寝ようものなら、朝には寒気と鼻水が待っています。
暑さで寝付けないのではなく、寒さで寝付けないなんて日もあるくらいです。
出かける際には、日中の暑さ対策に加えて、朝晩は1枚羽織るものを持つなどの寒さへの対策が必要です。
逆にいえば、薄めの長袖などで床につけば、窓を開ける必要がないくらい快適な気温ともいえます。暑さで寝苦しさに襲われるのがないのは、北海道の夏の特徴かもしれません。
北海道の夏は、7〜8月とかなり短いです。
日中は暑い、朝晩は寒いといった日を繰り返しながら過ぎていくのですが、8月下旬には日中にも少し肌寒さを感じるようになり、9月に入ればもう秋と言っていい気候になります。
どこかへ出かけようかとのんびり考えている間に、気温が下がって、気づけば海や湖に入るチャンスを逃すことはよくあることです。
そして、涼しくなった頃を狙って旅行に来ても、寒さで観光どころではなくなることもしばしば。
また、夏は雨が降ることも多く、1日中外に出ていると、どこかで雨に打たれるなんてこともよくあります。
北海道の夏は、晴れた日を逃さずに楽しむことが大切です。
「北海道にはゴキブリはいない」と聞いたことがある方も多いと思います。
これは北海道が基本的に寒いため、ゴキブリの生息が困難なことが理由としてありますが、実際はどうなのでしょうか。
ここからは夏の北海道に生息する虫や生き物について紹介していきます。
巷ではゴキブリがいないとされている北海道ですが、正確に言うとゴキブリは生息しています。
ただし、繁華街などのごく一部にいるということと、数自体が少ないため家の中でみるということはほとんどありません。
それは気温が上がりゴキブリの動きが活発になる夏でも変わりません。
東京に住んでいる時は、ゴキブリ対策で殺虫剤やトラップを常備していましたが、北海道に来てからは、特に何も対策をせずに1年間快適に暮らせています。
北海道に関しては、夏でもゴキブリの心配はほとんどないといっていいかもしれません。
先程言ったようにゴキブリは少ないとはいえ、他の虫がいないわけではありません。
夏に人を悩ませる虫の定番「蚊」は北海道にもしっかりいます。
東京などと比べて飛んでいる数はさほど多くないですが、何も対策をせずにいると、気づいたら数カ所刺されているなんてことも珍しくありません。
蚊が活発になるのは26℃〜31℃と言われています。
夏の札幌市内は30℃に近くなることも珍しくないため、蚊が活発になり被害が増えやすい気候とも言えます。
また、蚊は水辺に卵を植え付けるため、夏場に出かけることの多い川や湖の近くは蚊が発生しやすいポイントです。
出かける際には、虫除けスプレーは持ち歩くなどの対策が必要です。
夏になると蜂が飛んでいるのもちらほら見かけるようになります。
北海道は夏に見頃を迎える花も多く、それと同時に花を目掛けて蜂も増えてきます。
特に、スズメバチなども多く見かけることがあります
8月には被害の件数も多くなるようなので、ハイキングやキャンプなど出かける際は注意が必要かも知れません。
北海道にきて驚いたことの1つには、シカや熊などの動物が身近にいることがあります。
札幌市内の田舎の方に住んでいると、散歩をしているとシカ数頭の群れと出くわすことは珍しくありません。
シカは人間に慣れており、近づいても微動だにしないので、逆にこちらが気を遣って道を開けるくらいシカが生活に馴染んでいます。
また、車の標識として『シカ飛び出し注意』の看板があるように、車を運転していてシカが飛び出してくる可能性もあります。
シカと衝突すると大きな事故にもなりかねませんし、車を廃車にしなければならないこともざらにあるようです。
他にも、まれに列車とシカがぶつかって遅延するといったことも北海道ならではです。
また、「熊出没注意」の張り紙が至る所に貼ってあります。
幸い、まだ実際にクマをみたことはありませんが、さっきまで自分が居た場所に熊の目撃情報が出るようなこともあります。
このように、自然の近くに住むことのリスクを知っておくことも大切です。
「暑い」「虫が出る」「熊がいる」を全て受け入れて、家にいるのも道民の夏の過ごし方です。
札幌市内では、田舎の方でもコンビニやスーパーが近くにあることも多いので、生活自体に不便を感じることはありません。
近年、気温が高くなっている影響で、エアコンをつけている家も多く、他の地域と変わらず快適に家で過ごすことができます。
虫よけ×UVカット×保湿◎メッシュ素材で快適な完全防備ロングアームカバー。手のマスク > |
では、北海道に住んでいる人たちは、このような気候や環境なのかでどのように夏を過ごしているのか。
ここからは、実際に2年間住んで見てきた、道民の夏の過ごし方を紹介していきます。
まず最初に挙げられるのがバーベキューです。
夏になると北海道民は『焼肉』と称して、やたらにバーベキューをする印象です。
北海道は、家の中で過ごす時間の多い、冬の寒い時期が長いため、外に出て夏にしかできないバーベキューを楽しむ家庭が多くあります。
実際に、少し大きめの公園には「炊事広場」といったような、バーベキューのできるスペースが設けられている場所もあり、日常に溶け込んでいる様子も伺えます。
一軒家では、家の前の空いているスペースや庭で、コンロと直射日光を避けるタープを設置して行います。
休日になれば、ところどころの家でバーベキューのいい香りと煙が立ち上る景色が見れます。
今住んでいるマンションでは、お隣に住んでいる方が駐車場のスペースに七輪を置いてバーベキューをしているのにお呼ばれして一緒に楽しむなんてこともあります。
バーベキューのやり方自体は、キャンプ場でやる場合と変わりませんが、頻度がとても高く、もちろん家庭にもよりますが、週に1回は必ずやることもあります。
一夏に一回あればいい方だと思っていたので、「来週も同じ時間で」と言われた時は、来年と聞き間違えているかと思いました。
もちろん全ての家庭でというわけではありませんが、お家で家庭菜園をやられている方をよく目にします
一軒家では、庭に家庭菜園のスペースを設けて、夏に野菜を収穫しています。
今住んでいるマンションは、裏手に管理人さんが作ってくれた小さな畑をがあります。
『サステナブル農園』と名付けられたその畑では、トマトや大葉、ししとうといった野菜から、スイスチャードと言った少しおしゃれな野菜まで育てられてます。
その畑で取れた野菜を家でそのまま夕食に並べるもいいですし、お隣に住んでいる方にお裾分けするなど、田舎ならではの近所付き合いをすることもできます。
「田舎での農作業に憧れているけどなかなか踏み出せない」と言った方も、ちょっとした農業体験しながら暮らせるのではないでしょうか。
年々野菜の値段も高騰している今、自分の家で野菜が手に入るのは家計も助かりますし、1年の半分が寒く雪に覆われることが多い北海道では、夏にしかできない楽しみの1つとして数えられるのかもしれません。
北海道は他の地域より広大なため、グルメや絶景スポット、夏祭りなど、道内から出ることなく存分に楽しめるのが魅力1つです。
ここからは道内で夏に見頃の観光スポットや、札幌市内で行われるイベントをご紹介します。
札幌市内から行く場合、特におすすめは「富良野・美瑛」です。
車で2〜3時間行けば、都内では見れない広大な大地と自然をみることができます。
富良野にあるファーム富田には、国内外から多くの方が訪れる「ラベンダー畑」があります。
遠くに見える山並みと地面に広がる一面の紫は、是非一度は見てほしい景色です。
ラベンダー以外にも色とりどりの花が咲いており訪れた人を迎えてくれます。
また、「ラベンダーソフト」という紫のソフトクリームが売っていたり、富良野ならではの食べ物を楽しむこともできます。
美瑛には「白金青い池」があります。
立ち枯れた木と青く見える水面が幻想的で、とても綺麗な光景です。
近くには売店があり、青い色をしたソフトクリーム「青い池ソフトクリーム」が売っております。
北海道に住む魅力の1つは、やはりこういった自然が近くにあることです。
自然の近くに行けば日陰も多く、暑さも軽減されるため、絶好の暑さ対策になります。
飛行機に乗ることもなく、車を走らせるだけで絶景をみることができるのも北海道の魅力です。
札幌は夏になると「札幌大通りビアガーデン」があります。
札幌中心部の大通り公園5丁目〜11丁目に数多くのビアガーデンが立ち並ぶ、国内でも類を見ない規模のビールイベントです。
汗をが流れるのを我慢しながら参加する都内のビアガーデンと違い、涼しい屋外で楽しむビールは格別です。
自然を満喫できるスポットが多くある中にこういった都会的なイベントにもすぐ参加することができるのは、他にはない北海道最大の魅力の1つです。
絶景ポイントが多くある北海道ですが、時期や天候によって見れない場合もありますので注意が必要です。
富良野の「ラベンダー畑」の見頃は、7月中旬~下旬となっています。
まだ暑いからと油断して8月中旬に行っても、ラベンダーは全て刈り取られてしまい見られない可能性があります。
せっかく富良野まで行って、紫一面の景色を見る予定が悲しい光景で終わらないように気をつけたいところです。
また、美麗の「白金青い池」もタイミングがとても重要です
綺麗に青く透き通った景色をみるには、いくつか条件があるようで、天候がいい日でも見れないことや、逆に曇りでも見れる日はあるそうです。
ただ、前日に雨が降ると池の水が濁ってしまうため、青い池をみるのは難しいようです。
去年行った際は前日に雨が降ったようで、茶色く濁った池を見つめて帰ることになりました。
同じように来ていた外国の方が、濁った池を寂しそうな顔で眺めているのが池より印象的でした。
「札幌大通りビアガーデン」は、道内外から人が押し寄せてくるため大変混雑します。
こればかりはどうしようもありませんが、タイミングを見て、空いている時間を狙うのがおすすめです。
また、夜になってくるとやはり気温が下がり肌寒くなってくるため、防寒対策も忘れずに参加するのが望ましいでしょう。
せっかくのお出かけを失敗しないためにも、天候や時期などをしっかり見極めて、事前に情報を集めてからいくことが大切でしょう。
今回は実際に住んでわかった北海道の夏の気候と環境、そして道民ならでは夏の過ごし方について紹介してきました。
北海道は「自然が豊か」「食べ物が美味しい」などのイメージがありましたが、実際に住んでみるとまた違った魅力をを知ることができます。
田舎でも不便さはなく快適に過ごせる一方で、都会へも自然へもすぐにアクセスできるのは他にはない北海道の良さなのではないでしょうか。
ライター:小澤隆史
元お笑い芸人で、現在は動画編集を中心にフリーで活動中
カテゴリ
最新記事