2020/01/27
木枯らしが吹く季節になると、お肌の乾燥を気にし始める人も増えてきます。
お肌の乾燥を気にするのは、何も女性ばかりではありません。
実は、冬にお肌が乾燥してしまうのは、体の代謝と関係があるのです。
ということは、乾燥肌と体の代謝の関係を知ることで、冬も快適に過ごすことができます。
この記事では、冬の乾燥肌を簡単にケアする方法をお伝えします。ぜひ参考にして、寒い冬も健康で美しい肌を保っていきましょう。
「乾燥肌」といっても、その症状の感じ方はひとそれぞれです。
乾燥肌の主な症状をご紹介します。
● 体がカサカサ痒くなる
● 皮膚が粉をふく
● ガサガサ、チクチクと皮膚表面が硬くなる
● お風呂の後につっぱる感じがある
● フェイスラインがゴワゴワした感じがある
● 触るとザラザラする
このような症状を気にしてしまい、悩んでいる方も多いのではないでしょうか。
お肌のトラブルといえば、一見女性の悩みと思いがちですが、乾燥肌は男性や幼児にも多いことから、一般的な肌トラブルとして認識されています。
では、乾燥肌とはお肌がどのような状態になっているのでしょう。
乾燥肌とは、皮膚のバリア機能が低下している状態であり、肌に必要な潤いや水分が不足している状態です。
年齢や季節、また体調によっても変化を感じやすく、見た目の変化も大きいため実感しやすい症状とも言えます。
お肌は通常、表面にある角質という部分が、外部からのバリアとなり体内の水分を外に逃がさないように守っています。同時に、外部から受ける刺激からも守ってくれているので、お肌の内部にまで刺激を届けずに済んでいるのです。
しかしながら、乾燥肌はこのバリア機能が低下しているため、その他の肌トラブルも同時に現れることも多くあります。
乾燥肌に悩む人は、整ったお肌の状態を知り、どんな肌に向かってケアを進めていくことが正しいのか、その理想の肌をイメージしてケアすることが大切です。
せっかく悩みを解消するためのケアをしていても、何のためにしていることなのか、どんな結果を求めているのかが分かっていなければ、ケアを頑張るという意欲も長続きしません。
「整ったお肌」というのは、皮膚構造が整っていて、代謝が正常に行われている肌のことをいいます。
皮膚は「表皮」「真皮」「皮下組織」という3層から成り立っていて、簡単に言うと「表皮」はお肌の一番外側にあり、厚さ約0.2mm程度の薄い層です。
外部の刺激から皮膚を守ってくれる役割(バリア機能)も、この表皮の役割の一つとなっています。
「真皮」とは、表皮の下の部分にあたる皮膚で、この部分が老化に一番関わっているとも言える場所です。
弾力や柔らかさを作ったり、水分を保持してくれるのもこの真皮となります。
毛細血管が通っていて、血液から栄養分と酸素を表皮へ送り、新しく元気な細胞を生み出す要因となっています。
「皮下組織」は皮膚構造の一番下の部分を指します。
皮下組織のすぐ下には筋肉や骨があるため、これらを外からの衝撃で傷つけないため、脂肪で守る役割をしています。
整ったお肌を作るためには、表面だけを整えるのではなく、この皮膚構造を知り、栄養や酸素をスムーズに送ったり代謝を整えたりすることで、理想のお肌を作っていきます。
乾燥肌は男女ともに感じるトラブルではありますが、女性は特に肌の変化を感じやすい時期があります。
● 季節
四季に合わせて、気温や湿度、風の強さなどが変わるのは必然のことです。
特に冬は気温が低いため体温が奪われやすく、風も強い上空気も乾燥しているので表面の水分が蒸発しやすい時期でもあります。
● 年齢
お肌のバリア機能である表皮では、汗と皮脂が混ざり合ってできる「皮脂膜」が肌の表面を守ってくれます。
しかし、年齢とともに皮脂腺や汗腺の機能が低下し、皮脂膜が正常に作られず乾燥肌を招いてしまいます。
● 生理前
生理前のお肌の乾燥には女性ホルモンの変化が影響しています。
女性ホルモンには、エストロゲン(卵胞ホルモン)とプロゲステロン(黄体ホルモン)の2種類があり、お肌に潤いを与える働きがある「エストロゲン」の分泌が生理前に減少することで乾燥を引き起こします。
さらに、女性ホルモンのバランスが乱れることでお肌のバリア機能が低下し、乾燥や肌トラブルの原因になってしまいます。
乾燥肌対策には、お肌の仕組みを知ることで何をすればいいのかがわかってきます。
お肌のしくみは、実はとても単純なのです。
新しい細胞が生まれる時には、栄養と酸素が必要になります。
この時、血液から栄養と酸素をもらうので、まずは「血液循環をよくする」ことが大切です。
新しく生まれた細胞は、ゆっくりと表面まで押し出されていきます。
このサイクルをターンオーバー(新陳代謝)と呼びます。
新陳代謝を整えるためにはリンパの流れをよくすることが必要です。
マッサージや筋肉運動をしてターンオーバーを手助けしてあげましょう。
乾燥肌にならないために、必要なこと
● 元気な細胞を作るために血液循環をよくする
● 新陳代謝を助ける運動やマッサージをする
● 外部からの刺激を入れないためにバリア機能を正常にする
また、血液循環をよくするためには、体温を上げることもひとつの方法といえます。
ストレッチをしたり、旬な食べ物から栄養を摂り入れたり、温かい飲み物を飲んだりすることも大切です。
新陳代謝を促すためには、体の中に水分を巡らせることが大切です。
水分補給をして、トイレに行く回数を増やし、老廃物を排出しましょう。
バリア機能を正常に保つためには、正しい食生活や生活習慣も必要ですが、乳液やクリームといったスキンケアもキチンとして、外側からもバリア機能を高めていきましょう。
スキンケアをおこなう際は、化粧水のあとに乳液やクリームをつけて水分の蒸発を防ぎましょう。
冬の乾燥肌には、お肌の中からアプローチすることも必要です。
先程お伝えしたスキンケアに加え、内側から健康な細胞を作ること、体の機能を高めることで、潤いのあるお肌を目指すことができます。
そのためには代謝を上げることが必要不可欠です。
体の代謝、新陳代謝、とありますが、基本は体を温めることから始まります。
体が冷えてしまっていると、何をしても思う結果に結びつけることが難しくなってしまうのです。
代謝を上げることで、お肌は潤いが出る、くすみがなくなる、クマがなくなる、ツヤが出る、キメが細かくなる、血色がよくなり健康的に見える、シミが目立たなくなる、ニキビ跡が目立たなくなる、などといったことが期待できます。
お肌を整えることは、健康な体を維持することと同じだといえます。
あなたがこれから元気でいようと心がける事全てが、美肌の元にもなってきます。
また代謝を上げるという行為は、あなた自身を日々新しく生まれ変わらせるということにもつながります。
ストレスや悩み、愚痴、などネガティブな感情にまみれている心の状態を一掃するための手段ともなるのです。
ストレスがなくなると、自然に笑顔が増え、血液循環がよくなり、姿勢が良くなるためリンパの巡りもよくなります。
セロトニンという幸せホルモンを出すことで、お肌も綺麗になりながら、心も満たされていくものなのです。
乾燥肌対策で代謝をあげようとすることは、あなたの人生をさらにより良いものにするチャンスにもなります。
運動、水分補給、食事、生活習慣の見直し、これら全ては乾燥肌対策であり、代謝を上げるための方法と言えるのです。
忘れがちなのが睡眠ですが、良質な睡眠はお肌を整えるために重要な役割をしてくれます。
お肌のためにも睡眠の質を高めていきましょう。
乾燥肌対策といっても、その内容が難しければなかなか取り入れることができません。
簡単だからこそ続けることができ、美肌へと近づくことができるのです。
ここではその方法をご紹介します。
飲み物は、白湯がオススメです。
白湯は、体中の老廃物を回収し尿として体外に排出してくれます。
一気に飲むのではなく、少しずつ口に含み時間をかけてゆっくり飲んでいくことがポイントです。
コーヒーなど利尿作用がある飲み物は、温かいものであっても体を通過してしまうだけで、尿となり排出されてしまうので、体温が奪われてしまい体を冷やす原因となってしまいます。
お茶でもカフェインが入っていない、麦茶やルイボスティーなどがおすすめです。
代謝を高めるためには、体温を上げることが大切です。
そのためには、生活に生姜を取り入れましょう。
生姜は、血液をサラサラにする、血行促進、抗炎症、鎮痛、整腸、殺菌、と様々な効果があると言われていますが、体を温め血液循環を良くしてくれるので、肩こりや冷え性対策にも有名です。
生姜をすりおろしたものが、新鮮で効果も高いのですが、チューブの生姜の方が簡単に取り入れやすいのであれば、そちらでも構いません。
お味噌汁に入れる、湯豆腐、生姜湯、お肉や魚と煮たり、麺類に混ぜたりと何でも取り入れることができます。
風邪予防にもなるので、冬には欠かせないアイテムです。
ボディクリームはほとんどが油分でできています。
この油分で皮脂膜を補います。
皮脂膜は表皮の水分を外に逃がさないように、また外からの刺激を皮膚内部に与えないようにバリアをしてくれます。
つまりボディクリームを塗ることで、壊れてしまったバリア機能の代わりにお肌を守ってくれる役割をしてくれるのです。
乾燥が気になるところはもちろん、全身一枚の皮膚でつながっているので、体のいたるところにクリームを塗りましょう。
特に、カサカサを感じるかかとやひじなどは、しっかり塗りこむことでしっとりお肌になっていきます。
運動をすることで代謝が上がり、体の老化予防や肌の老化予防の他、滞ったリンパを流れやすくし美容面にもダイエットにも大きく影響してきます。
しかし、急激に激しい運動をしてしまうと、体を壊してしまう危険性があるので、無理のない範囲でできることから少しずつ始めることが大切です。
適度な運動は、酸素量が増える、血行が良くなる、ストレスの軽減、肌の弾力に必要な筋肉を作るなどいいことがたくさんあるので、ぜひ取り入れましょう。
中でも有酸素運動は、健康面でも美容面でも優れた効果を発揮してくれるので、マラソンやヨガ、ウォーキングなど楽しく運動することが秘訣です。
ストレスにならない程度の運動を、1日1時間程度を目安に継続できる範囲で行いましょう。
冬に乾燥するのは、単純に空気が乾燥しているからという理由だけではありません。
体の中の水分不足や、運動不足、栄養分の不足などからも乾燥肌をまねいてしまいます。
症状がわかりやすいからこそ「どうにかしたい」と思う人も多い一方で、どうしたらいいのか分からず、「とりあえず化粧水でも塗っておこう」と考える人も少なくありません。
しかし、乾燥肌の対策は体の中からのアプローチ、外からのアプローチと両方からケアすることが大切なのです。
ご紹介した簡単なケア方法などから早速取り入れて乾燥対策をしてみてくださいね。
現代ではどこでも年中エアコンが効いているからこそ、体の中の水分不足に気が付きにくい状況が続いています。
体の中からのアプローチも視野に入れてケアすることで、体がいかに乾燥しているかを実感できるはずです。
乾燥肌対策は、乾燥だけのケアではなく、からだの健康にも繋がります。いつまでも元気に過ごせるよう色んな視点からアプローチしていきましょう。
[ライター:春森 桜]
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