2020/08/03
暑さ、夏バテ、汗のニオイ、虫、日焼けなど、夏は悩みやトラブルの多い季節です。いよいよ本格的な夏がはじまる今、既に様々なお悩みを抱えている方も多いのではないでしょうか。そんな夏のお悩みをアロマが解決してくれるかもしれません。
リラクゼーションアイテムとして知られているアロマは、リラックスしたい時以外にも、いろいろな場面で活躍してくれます。今回はそんなアロマについて、夏のお悩みに合わせたおすすめのアロマや使い方や、アロマを使う時の注意点などをご紹介していきます。夏のトラブルにお困りの方やアロマに興味のある方は、ぜひ参考にしてみてください!
植物の葉や花、皮などから抽出されたオイルを「エッセンシャルオイル(精油)」と言います。このエッセンシャルオイルは、抽出した植物による香りと効能を持ち合わせています。
このエッセンシャルオイルや合成香料などを使用して人工的に作られたものを「アロマオイル」と言います。アロマオイルは香りを楽しむものなので、植物由来の効能はありませんが、比較的安く手に入れることができます。
今回ご紹介するアロマは、「エッセンシャルオイル(精油)」を使う方法です。
エッセンシャルオイルの使い方には、いくつか注意点があります。基本的な注意点を以下にまとめました。
【エッセンシャルオイルを扱う時の注意点】
・皮膚に直接つけない
・飲んだり、粘膜につけたりしない
・火の近くに置かない
・お子さんやペットの手の届かない位置に保管する
ご年配の方やお子さん、妊娠中の方のいるご家庭では、使用を控えたり、使う場合は医師に相談したりする必要があります。また、エッセンシャルオイルの中には、皮膚に強い刺激を与えるものもあるので、説明書をよく読んで正しく使用してください。
さらに、ペットを飼われているご家庭でも注意が必要です。特に猫は、エッセンシャルオイルの使用が生命に関わることもあるので、使用を避けたり猫が近づかない場所で使用するなど、正しい対策が必要になります。
エッセンシャルオイルの効能は、実にさまざまです。その中から今回は、暑さや夏バテ、汗のニオイ、日焼け、虫など夏のお悩み・トラブル解決に役立つものをピックアップしてご紹介していきます。
リラクゼーションとして使用するイメージが強いアロマですが、夏には「虫除け」として使用することができます。心地よい香りを楽しみながら、嫌な害虫をブロックできる、一石二鳥のやり方です。
どんなアロマが虫除けに使えるのか、虫が嫌う香りとして有名なアロマをピックアップしてみました。
・ペパーミント
・ゼラニウム
・レモングラス
・シトロネラ
・レモンユーカリ(ユーカリ・シトリオドラ)
このようなアロマの香りを身にまとうことで虫を遠ざけ、刺されにくくすることができます。ただ、こうしたアロマを使った虫除けには「殺虫」効果はありません。あくまでも目的は「防虫」。虫を寄せ付けないための対策ということを覚えておきましょう。
虫除けとして使用する場合は、スプレーを使うと便利です。デリケートなお肌に使うものは市販のもの、掃除に使うものは手作りのもの、と使い分けてもいいですね。
【作り方】
1.無水エタノール5mlにエッセンシャルオイルを5~10滴垂らす
2.精製水を45ml加えてよく混ぜる
無水エタノールは、エッセンシャルオイルと水を混ぜ合わせるために使います。ただし、2020年8月現在、エタノールは手に入りにくい状況が続いています。用意できない場合は、水のみでも作ることができるので試してみてください。水のみで作ったアロマスプレーは、使う度によく振ることがポイントです。
スプレーを作るボトルは、ガラス製がおすすめです。エッセンシャルオイルオイルの中には、プラスチック製品を溶かしてしまうものがあります。プラスチック製であれば、ポリエチレン(PE)製なら問題ありません。ボトルの表示をよく確認してからお使いください。
作ったアロマスプレーは、マスクに使用してもいいですね。今年(2020年)は、新型コロナウイルスの影響で、マスクを着用しての外出も増えています。
夏場のマスクは暑くて蒸れやすいので、アロマを吹きかけて使えば、リフレッシュできて気持ち良く着用できます。もちろん冬場にも活躍してくれます。
マスクのリフレッシュに使う時は、爽やかなミント系の香りがおすすめです。
35度以上の猛暑日を記録する日も少なくない日本の夏。こうした夏の暑さには、清涼感のあるアロマがおすすめです。
・ペパーミント
・ハッカ
清涼感のあるアロマと言えば、ミントを思い浮かべる方も多いはず。中でも「メントール」を主成分とする「ペパーミント」と「ハッカ(二ホンハッカ)」は特に人気です。
メントールには、冷感作用があります。神経を刺激し“体温が下がった”かのように感じさせてくれる働きです。暑さにやられてやる気が出ない日も、ハッカやペパーミントの香りを嗅ぐことで、すっきりリフレッシュすることができます。
ちなみに、鼻はメントール成分を最も敏感に感じ取ることができる部位と言われています。香りを嗅いで楽しむ方法は、とても理にかなっているのです。
注意する点として「体温が下がったかのように感じているだけ」という点です。ハッカやペパーミントのアロマを使用して涼しく感じたとしても、決して熱中症リスクが減った訳ではありません。
エアコンを使う、水分補給する、帽子・日傘を使用するなど、基本的な暑さ対策は忘れずに行いましょう。
スプレーを作れば、屋外でも気軽にリフレッシュできます。ハンカチなどに1滴だけ垂らして、リフレッシュしたい時に香りを嗅ぐという方法も簡単でおすすめです。
室内ではスプレーやディフューザーなどを使用して、ハッカやミントの香りで満たしてみてください。清涼感につつまれ、気分もスッキリします。
また、掃除に使う方法もおすすめです。窓や網戸、フローリングなどの掃除をする時、バケツの水に数滴アロマを垂らしたり、スプレーにして吹きかけたりすると、仕上がりがとてもサッパリして気持ちいいですよ。
特に暑い日には、アロマバスという選択肢もあります。エッセンシャルオイルをお湯に入れるだけなので簡単です。入れすぎないよう、はじめは2~3滴から。しっかり混ぜて入浴してください。お湯をはるのが大変な時は、手首や足首など部分浴に取り入れてみてもいいでしょう。
暑さからくる体の疲れやだるさも悩みのひとつですよね。夏は暑さそのものにやられてしまうだけでなく、冷房による冷えや室内と外の気温差からくる身体の不調、食欲不振など悩みは尽きません。
そんな夏バテには、リラックスさせてくれるアロマや、胃腸の働きをサポートしてくれるアロマがおすすめです。
・ラベンダー
・カモミール
・ネロリ
・ジュニパーベリー
・グレープフルーツ
・ベルガモット
フローラルの香りやウッディな香りのアロマは、心を落ち着かせてリラックスさせたい時によく使われます。夏バテした身体を癒したい時にもぴったりです。食欲がなくなってきた時は、柑橘系のアロマがおすすめ。食欲を刺激すると同時に、消化機能の働きをサポートしてくれます。
この2つを併せ持つのが「ネロリ」。ビターオレンジの花から作られるアロマで、フローラルの香りの中に柑橘系のフレッシュさを感じることができます。暑さで疲れを感じた時は、ぜひ試してみてください。
夏バテによる食欲不振や夏冷えを軽減したい時は、マッサージオイルでマッサージしてみましょう。おなかまわりや首・肩まわり、むくみが気になる太ももやふくらはぎなどもおすすめのマッサージポイントです。
市販のものを使う以外に、自分の好きな香りでオイルを作ることもできます。アロマバスに入ってからマッサージをすると、より一層心も身体も癒されそうですね。
【作り方】
1.50mlのキャリアオイルを用意する
2.最大10滴(1滴=0.05ml)まで、エッセンシャルオイルを加えて混ぜ合わせる
マッサージオイルを作る時は、エッセンシャルオイルの濃度が1%以下になるよう、正しく量って作ってください。濃度が濃いものは肌に負担をかけてしまいます。
容器はスプレーを作る時と同様に、ガラス製かポリエチレン(PE)製を使用しましょう。
汗をたくさんかく夏は、自分の汗のニオイも気になります。通勤や買い物のわずかな時間でも汗をかいてしまうので、ケアに悩んでいる方も多いのではないでしょうか。
そんな汗のケアに役立つアロマをまとめました。
・ペパーミント
・ラベンダー
・ローズマリー
・ゼラニウム
汗をケアしたい時は、抗菌作用のあるアロマがおすすめです。特におすすめなのが、ハーブ系の香り。不快感を軽減してくれると同時に、気持ちを落ち着かせてくれるので、汗を気にし過ぎてしまい、かえって汗をかいてしまうという方はぜひ試してみてください。
ハーブ系の香りは男女共に人気ですが、実際に汗のケアとしてアロマを使う時は、一度香りがきつくないか確かめてから使いましょう。電車やオフィスなど人のいるところで使う場合は、香りがきついと不快感を与えてしまいます。
気になる汗のニオイは、アロマのボディミストで対策しましょう。こちらも作り方をご紹介します。
【作り方】
1. 20mlのフローラルウォーターを用意する
2.エッセンシャルオイルを1滴加えてよく混ぜる
フローラルウォーターとは、植物からエッセンシャルオイルを抽出する時に出る水分です。わずかですがエッセンシャルオイルの成分も含まれており、スキンケアやボディケア用品に活用されています。
作ったボディミストは、清潔なタオルに吹きかけて汗を拭く、たっぷり手に取りパッティングするなどして使います。ラベンダーのフローラルウォーターやオイルを使うと、この後ご紹介する日焼け対策にもなるのでおすすめです。
うっかり日焼けしてしまった時も、アロマでアフターケアをすることができます。日焼けのケアは、炎症を抑えてくれる「抗炎症作用」や「消炎作用」があるアロマを使います。
・ラベンダー
・カモミールジャーマン
・カモミールローマン
・ローズマリー
・パルマローザ
日焼けのアフターケアとして一般的なアロマは「ラベンダー」です。日焼けによる炎症を抑えてくれると同時に、皮膚の再生を促してくれたり、シミやシワなどの原因になる活性酸素を消してくれたりするので、日焼けのアフターケアには欠かせないアロマとなっています。
日焼けした部分が熱っぽい時は、冷やすケアからはじめます。
氷や冷水を入れた容器にオイルを3~5滴垂らしよく混ぜましょう。一度タオルを浸し、軽く絞って、日焼けした部分に当ててください。しばらくすると自然と熱っぽさが引いていきます。
また、オリジナルのクリームでケアする方法もあります。
【作り方】
1.ミツロウ3mlとキャリアオイル15mlを湯煎で混ぜ合わせる
2.容器に移し、フチが白く固まりだしたらエッセンシャルオイルを3~4滴加える
3.全体を混ぜ合わせる。放置して固まったら完成
使用するキャリアオイルは、保湿成分の高いホホバオイルやスイートアーモンドがおすすめです。顔や腕など、気になる部分に重点的にケアしてみてください。
夜になっても気温が下がらない熱帯夜は、寝苦しさを感じることも多いと思います。エアコンや扇風機などを使って寝室を涼しくするのと同時に、アロマの香りでリラックスできる環境を整えてスムーズな入眠をサポートしましょう。しっかり睡眠がとれれば、夏バテ予防や疲れの解消にも繋がります。
睡眠時には、以下のようなアロマがおすすめです。
・ラベンダー
・スイートオレンジ
・ゆず
・イランイラン
・シダーウッド
これらのアロマは、リラックス効果の高いアロマとして知られています。このリラックス効果をより高めるためには、自分の好みの香りを選ぶことが大切です。
どれだけリラックス効果が高くても、苦手な香りだと落ち着けません。自分に合った香りを選ぶことで、本当のリラックス効果が発揮されます。
寝室でのアロマの使い方は、いろいろな方法があります。
最も簡単な方法は、まくらやまくらカバーに1滴垂らすだけ。アロマの香りにつつまれて、自然とリラックスできるはずです。
また、アロマランプを使用する方法もおすすめです。電気の熱でアロマを温め拡散させ、寝室の照明代わりにもなります。寝る時は暖かい色の明かりの方がリラックスできるでしょう。
今回ご紹介したように、アロマはさまざまな夏のお悩みやトラブル解消に役立ちます。はじめは手軽なものから気になるシーンで使用してみたり、自分の好みの香りを探したりして、夏のアロマ生活を楽しんでみてはいかがでしょうか。
慣れてきたら、アロマの効能を調べたり、ブレンドしたり、楽しみ方も広がります。ぜひこの機会に試してみてください。
[ライター:きみぽん]
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