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「よく噛んで食べる」と健康になる?噛むことがもたらすメリット

2022/02/01

「食事はよく噛んで食べた方が良い」と、誰もが一度は聞いたことがあるでしょう。
ですが、よく噛むことがなぜ良いのか、具体的な理由まで教えてもらう機会は意外と少ないもの。
実は、よく噛んで食べることは、健康にかかわるたくさんのメリットがあるのです。
今回は、よく噛むことで得られる効果を、メリットと合わせながら紹介します。

「よく噛んで食べる」咀嚼回数のどれくらい?

「よく噛んで食べる」とはいっても、どれくらい咀嚼すれば良いのかわからないものですよね。
厚生労働省の「歯科保健と食育のあり方に関する検討会報告書」によると、租借回数は「一口30回」が目安と記載しています。


一口30回噛むことが望ましいとされているのは、食べ物を小さく砕き、すりつぶすために必要な回数とされているからです。
もちろん、食べ物によって噛む回数に違いはありますが、どんなものでも一口30回咀嚼すれば十分でしょう。

噛む回数が少ないことで生じるリスク

30回も咀嚼するには、一口を食べ切るのに結構な時間がかかるもの。
普段から“よく噛んで食べること”を意識していないと、継続は難しいかもしれません。
しかし、食べ物を噛む回数が少なく、食べ物を十分に砕かないまま飲み込むと、健康にさまざまな悪影響を及ぼしてしまいます。

太りやすくなる

噛む回数が少ない人によく言われるのが、「太りやすくなる」ということです。
食べ物を十分に咀嚼しないまま飲み込むと、満腹中枢が刺激されにくくなります。
その結果、たくさん食べてもお腹が満たされない…という状況に陥ってしまうのです。
適量食べても満腹にならず、食事量が増えてしまえば、肥満になるリスクがあります。

歯の健康をおびやかす

私たちの口内にある唾液は、口内の衛生を保つ役割があります。
外部から侵入した雑菌やウイルスを洗い流し、菌の繁殖を防いでくれるのも唾液です。
しかし、食事を噛む回数が少ないと、唾液の量が少なくなってしまいます。
唾液は噛むことで分泌を促しているため、咀嚼数が足りないと、大切な歯の健康をおびやかす可能性もあるのです。
唾液が乏しく、菌が繁殖しやすい口内状況では、虫歯や歯周病のリスクも高まってしまいます。

胃や腸に負担がかかる

咀嚼回数が少ないと、食べ物が大きな塊のまま胃や腸へ送られます。
さきほど、噛む回数が少ないと唾液が減ることを説明しましたが、唾液に含まれる「アミラーゼ」という酵素は、消化を助ける働きもあります。
噛む回数が足りていないと、消化酵素であるアミラーゼも不足。
その結果、食べ物を消化・吸収するのに時間がかかり、胃腸の負担が大きくなってしまうのです。

よく噛んで食べるメリット「ひみこのはがいーぜ」

食べ物をよく噛むことは、咀嚼回数が足りない場合のリスク防止につながるのはもちろん、健康にもさまざまなメリットをもたらしてくれます。
「噛むこと」で得られる良い効果を表したものとして、「ひみこのはがいーぜ」という標語が有名です。
この標語は、「非営利活動法人 日本咀嚼学学会」が作ったもの。


卑弥呼が生きていた弥生時代の食事は、硬い食材が多く、現代よりも噛む回数が多かったのではないか、という想定から誕生しました。

この「ひみこのはがいーぜ」という標語には、噛むことのメリットや大切さを表しています。
この標語を元に、よく噛むことで得られる9つのメリットを紹介していきましょう。

「ひ」…肥満防止

咀嚼回数が足りていないと、満腹中枢が刺激されず、太りやすくなってしまうことをお話しました。
ですが、食べ物を噛む習慣を身に付けることで、肥満のリスクを回避できます。
咀嚼回数が増えれば、満腹中枢もしっかり刺激されて、食べすぎを防ぐことができるのです。
「よく噛んで食べると太りにくい」と聞いたことがある方もいるかと思いますが、これは間違いではありません。
噛む回数が多いと、満腹中枢が働いて、適量でも満腹になります。
また、早食いせずに、ゆっくりと時間をかけて食事をすることで、うす味でも満足感が得られるメリットも。
濃い味付けのメニューは高カロリーのものが多いですし、薄味の方が健康的です。
「一口30回噛むこと」を続けていけば、肥満の他、糖尿病や高血糖といった生活習慣病の予防・改善にも繋がります。

「み」…味覚の発達

よく噛んで食べると、素材の味がよくわかるようになります。
主食のごはんをしっかり咀嚼すれば、早食いの時は感じなかった、お米そのものの甘みがしっかりと感じられるように。
さきいかやするめなどは、噛めば噛むほど素材のうま味が出てきます。
よく噛んで食事をすることで、味だけでなく、食べ物の固さや食感も分かるようになります。
とくにお子さんの場合は、小さいころからよく噛んで食べることを習慣化することで、味覚が育つメリットもあるのです。

「こ」…言葉の発達

食べ物を噛むという動作は、顎の筋肉運動です。
小さい頃からよく噛んで食事をしていると、顎が鍛えられ、骨も丈夫に育ちます。
ですが、噛む回数が少なく、早食いがクセになってしまうと、顎が細く小さくなってしまう恐れも。
顎の発達は、歯並びやかみ合わせの他、言葉の発音にも影響します。
顎の筋肉と骨がしっかり育っていると、はっきり正しい発音ができるようになると言われているのです。
食べ物をよく噛んで食べることは、正しい発音や顎関節症の防止にもなります。

「の」…脳の発達

よく噛むことは、顎の発達以外に「脳の発達」とも関係しています。
噛む回数が多いと、その分脳に送られる血液量も増加。
脳へ血液が送られる際は、養分も一緒に運ばれていくため、噛めば噛むほど脳が活性化していきます。
「よく噛んで食べると頭が良くなる」と言われているのも、まさにこのこと。
さまざま論文でも、噛むことによって集中力の向上や、知能指数が好影響を受けることを発表しています。

「ハ」…歯の病気予防

食べ物をよく噛んで食べることは、健康な歯を作るための基本です。
咀嚼回数が少ないと、虫歯や歯周病のリスクが高まることをお話しした通り、噛むことは健康な歯を維持するために必要不可欠なこと。
噛む習慣を作ることで、顎の筋肉が鍛えられ、歳を重ねても噛む力をキープできます。
また、十分に咀嚼をすれば、唾液の量も不足しません。
唾液は口内の汚れを洗い流したり、細菌感染を防ぐ効果もありますから、唾液量を維持することは歯の健康を保つことにもなります。
普段からよく噛んで食べる生活を送ることで、虫歯や歯周病から歯を守ることに繋がります。

「ガ」…ガンの予防

よく噛んで食べることは、三大疾病のひとつ「ガン」の予防にもなると言われています。
私たちが普段食べている物の中には、発がん性のある食品もあります。
具体的に言うと、焼きすぎて黒くコゲてしまったパンやお肉などです。
しかし、茶色くなる程度のコゲは香ばしさが増すため、調理の際、あえて焦がしている方も多いのではないでしょうか。
時にはちょっとした不注意でコゲができてしまうこともありますが、コゲを完全にシャットアウトすることはできません。
ですが、普段からよく噛んで食事を摂ることを心がけていれば、食品の発がん性を抑えることにつながります。
これは、唾液に含まれる「ペルオキシターゼ」という酵素が持つ成分によるもの。
ペルオキシターゼには、食品の発がん性を防ぐ効果があると言われています。
発がん性のある食品を食べても、必ずガンになるというわけではありませんが、蓄積することでガンの発症リスクが上がってしまいます。
普段からよく噛むことを意識することで、ガンの予防につながります。

「イー」…胃腸快調

食べ物をよく噛むと、唾液から「アミラーゼ」が分泌されます。
このアミラーゼは、消化を助ける働きのある重要な酵素です。
十分に咀嚼して食事をすることで、消化を助け、胃腸の負担を軽減できます。
普段、不調を感じることが多い方や胃腸が弱い方は、よく噛むようにするだけでも症状の緩和に繋がるかもしれません。

「ゼ」…全力投球

歯並びと噛み合わせは、運動神経の発達にも大きくかかわりがあります。
歯が正しくキレイに生えそろっていると、歯を食いしばって全力投入できるのです。
しっかり噛むことで作られた丈夫な顎は、“噛みしめる力”も育ててくれます。
体力が向上すれば、全身に力が入り、目の前の仕事や遊びに全集中できるメリットも。
子どもの場合は、体力づくりや運動神経の発達にも、良い影響をもたらします。

このように、食事をよく噛んで食べることには、私たちのカラダに良い影響をもたらしてくれます。
これから脳や骨・筋肉が発達していく子どもにとって、“噛むこと”はとくに重要です。
しっかり咀嚼して食事をすることで、健康で丈夫なカラダが育つだけでなく、記憶力や学力の向上にも繋がります。
大人も、生活習慣病の防止や元気で長生きできる暮らしのためにも、噛む習慣は必須です。

噛む回数を増やす工夫

食事中に「噛むこと」を意識していても、毎日・毎食となれば忘れてしまうこともあります。
人それぞれクセがありますから、意識だけで「一口30回噛むこと」を継続していくことは、なかなか難しいことです。
意識することと合わせて、噛む回数が増える食事を用意することも重要なポイント。
使う食材や調理法を工夫し、咀嚼が必要なメニューを増やすことで、自然と噛む習慣が身につきます。

噛みごたえのある食材を活用!

一番手っ取り早い方法は、噛みごたえのある食材を取り入れること。
「噛みごたえがある=硬いもの」というイメージがあるかと思いますが、食物繊維が豊富な食材も、咀嚼回数とします。
スーパーでも手に入る噛みごたえのある食材を、いくつか挙げてみましょう。

・さきいか
・油分の少ない肉類(豚ヒレ肉、牛もも肉、鶏むね肉)
・油揚げ
・高野豆腐
・イカ、タコのお刺身
・かまぼこ
・ちくわ
・ごぼう
・れんこん
・さつまいも
・きのこ類(エリンギ、しめじなど)

どれも、噛む回数を必要とする食品ばかりです。
一口を食べきるには、何度も噛まなければ飲み込めないため、自然と噛む回数を増やせます。

食材を大きめにカットする

食材の切り方を少し工夫するだけでも、噛む回数を増やせます。
ポイントは、できるだけ大きめに切ること。
細かくカットした食材は食べやすいですが、咀嚼を必要としないので、噛む回数が減ってしまいます。
大きめにカットすると食べづらくはなりますが、必要な租借回数が増えて、噛む習慣が身につきます。

飲み物と一緒に食べない

口の中に食べ物が入っている状態で飲み物を飲むことは、あまりおすすめできません。
飲み物と一緒に食べ物を流し込んでしまうと、噛む回数が少なくなってしまいます。
食事中は飲み物を用意しても構いませんが、食べ物を飲み込んでから飲むように心がけましょう。

食材をカットする際は、乱切りにしたり一口を大きめカットしたりして、噛む回数が増えるようにしましょう。

焼きもの、炒めものにする

どんな食材も、水分が減ると食感が硬くなります。
分かりやすい食材を挙げると、「食パン」が良い例です。
焼いていない食パンは、ふわふわしっとりしていて柔らかい食感。
しかし、トーストすると、水分が飛んで、噛みごたえのあるカリカリ食感に変化します。
食パンだけに限らず、野菜も同様です。
炒めものや焼きものにすると、水分が飛んで噛みごたえがアップします。

このように、食材選びや調理方法を少し工夫するだけで、無意識でも噛む回数を増やせます。
今日からでも実践できる簡単なものばかりなので、ぜひ試してみてください。

まとめ

現代人の噛む回数は、昔に比べて少なくなっています。
忙しい中でも手軽に食事がとれるゼリー飲料や、栄養補助食品などの便利な商品がある一方で、噛む機会も減少傾向にあるのです。
「一口30回噛むこと」は、健康にさまざまなメリットをもたらします。
しかし、十分に咀嚼するには、食事中に意識することが重要です。
意識すること以外にも、咀嚼が必要なメニューを増やしたり、噛みごたえのある食材を積極的に使ったりするなど、調理方法で工夫できることもたくさんあります。
食べ物をよく噛んで、健康な毎日を送りましょう。

[ライター:natsumama]

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