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形のない財産 

2008/06/29

窯焚きの現場を、初めて見せてもらいました。

息子が高専で取っている授業「土と炎」では、プロの陶芸家さん達の間でも少なくなっているという、のぼり窯での窯焚きを年に数回行います。

この週末で2泊3日の泊り込み、夜番と昼番に分かれて、自分たちで準備した大量の薪をくべながら、スケジュールどおりに窯内の温度を上げ、最後には、「攻め焚き」といって、今回の予定では、日曜日の夜中2時過ぎになるようですが、1200度まで温度を上げて、各人の作品を焼き上げるのだそうです。
きのくに高専 のぼり窯です♪

夏休み前の面談が、偶然にもこの日にあたり、初めてのぼり窯から煙が上がっているのを見ることができました。

私達が窯を訪れた時は、まだ1日目ということで、両サイドには大量の薪がぎっしり背丈以上に積まれており、窯内の温度を185度から195度にあげるところでした。(上の写真は、先ほど息子に送ってもらったので、薪のカサがずいぶんと減ってきています。)
185度から一気に189度まで上がってしまったので、薪を少し抜いて火をゆるめて・・
すると、184度から183度に落ち過ぎてしまったので、また少し薪を奥へ差し込んで・・・
と、窯のまわりの昼番の学生8人が温度計を見ながら、つきっきりの作業をしていました。
これが3日2晩続くわけです。

夕食は、夜番の学生が、昼食は、昼番の学生が準備。
昨年授業をとっていた上の息子が、「窯焚きの時は、『鮭とば』をあぶりながら食べるのが最高!」と言っていたので、差し入れは、ソレと、何やら宴会のお菓子のようなおつまみ類と飲み物を息子に手渡しました。

陶芸専攻の大学生でさえも、3回生の時に一度実習をさせてもらうだけ・・という「窯焚き」。
この学校の教育環境のおかげで、
何事も本物に触れさせてもらって、贅沢な時間を体感させてもらっていることを、さすがに高専生になった息子は、実感しているようです。

ここで、面談で聞いて、うなってしまったお話をひとつご紹介。

修学旅行へ行くのか行かないのか、行くなら行き先はどうするのか、スケジュールは・・・?
全て、子どもたちが決め、全ての手配を自分たちで行うのが、この学校のルール。

ミーティングで、いろいろな意見や思いが飛び交う中、『全員参加するための』行き先と日程と行程がようやく決まり、各分担で詰めの作業を行い、いよいよ・・と日が近づいた時、一人の子が「やっぱり行きたくない・・」と言い出したそうです。

「みんなで行きたいから、行けるようにと、この場所と日程にしたのに、何を今更言うてんねん!!」
「なんで、もっと早くに言わへんかったんよっ!!??」

当然と思われるような意見・・
皆の口調も表情も険しくなり、空気も最悪・・

・・と、その時
「なぁ・・みんなの全員で行きたいという強い思いもわかってて、行くためにそこまで調整してもらってて、ホントは、納得してなくて行きたくないと思っていても、ずーっとそう言われへん雰囲気を、みんなで作ってしもとったん違うか・・・」
と、静かな意見が出たそうな。

このタイミングでのこの意見、 「すごい・・」と感じるのは、私だけでしょうか・・・

いろんな問題をクリアし、結局は、全員での沖縄修学旅行を満喫し、元気いっぱい戻ってきた彼ら。

この学校で学ばせてもらってること、机の上のお勉強ではない部分も含めて、彼らの一生の財産となるのだろうな・・と、一人の大人としてちょっとうらやましかったりもするのです・・(^^)

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